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執筆者の写真亀成園長 まぁちゃん

給食おばさんになれたのは

竹下文子さんの書かれた「わたしおてつだいねこ」という本が好きです。昔の愛読書と言ってもいいこの本を娘にプレゼントしたところ、しっかりハマってくれて母心を満たしてくれました。

ファンタジーだけどしっかり日常、こんな作品がそばにあると、日々が色付きます。

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この続編に「はしれおてつだいねこ」というのがあります。前作ではお家のおばさんと猫さんだけのお話だったのが、こちらでは猫さんが小学校に忘れ物を届けに行くのです。

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小学校に行くとなればまずイメージするのは教室でしょうか。たくさんのお友達に囲まれ、先生に迷惑がられる猫さん、になったらどうしようと心配しながら読んでいくと、その心配はなかったです。猫さんが勘と鼻を頼りに行き着いたのは目下準備中の給食室だったのですから。アジのフライがこのときのメイン献立でしたから猫としては無理もないかもしれません。

いい香りがして湯気でぬくい給食準備室で、給食のおばさんたちに優しくしてもらって、アジのフライも頂き、おかわりまで頂き、猫さんはついそのままお昼寝してしまいます。その姿のなんとも幸せそうなこと。

ちなみにこれらの作品の絵を描いたのは鈴木まもるさんです。鳥の巣研究もされてて独自の世界がありますね。猫の絵と乗り物、とくに働く車が柔らかい味で描かれており、大好きな作家さんの一人です。

幸せな猫さんのイメージがあまりに大きかったせいか、私はなにやら給食のおばさんというやつに小学生の頃から漠然とした憧れを抱いていたのです。改めて目指したことはないけれど、もし機会があればやってみてもいいかな、と思っていたのがどこで漏れたのでしょうか。こちらに移住してしばらくすると、給食センターで働いてみないかと声をかけてもらう機会があったのです。

現在ほんの短いパートタイムではありますが、地元小学校の給食センターをお手伝いさせてもらってます。本式に大きなお鍋をかき回す役ではなく、ご飯をクラス毎によそったり、道具を洗ったりの至って地味な仕事ですが、お昼間うちにいない娘の給食に関われているのはそれだけでなんだか嬉しいことです。

実際には人が導いてくれた縁なのですが、大好きな本の猫さんに導かれた気もしています。なんにもろくすっぽできないけどいつも一所懸命な猫さんを心に寄り添わせながら、給食からまた多くを教えてもらっています。地域の食材を大事にする献立で、今月は新茶のかき揚げが作られるようですよ。私も香りだけ嗅がせてもらおうと楽しみにしております。

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