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執筆者の写真亀成園長 まぁちゃん

真夏の冬支度

ピーターラビットの絵本で、「ひげのサムエルのお話」というのがあります。いたずら猫のトムが、お母さんに閉じ込められた押し入れから逃げ出して、煙突に潜り込んで外に出るつもりが、屋根裏を住処とするバカでかいネズミの夫婦に捕まってとんでもない目に遭う物語です。

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古い家の長い長い煙突を真っ黒になりながら上っていくのは、いたずら猫じゃなくてもいたずら盛りの頃はやってみたくなることに違いありません。でも三匹の子豚の狼は煙突から入ろうとして大失敗したし、イギリスの産業革命の頃は小さな子供が潜り込んで煙突掃除をしていて病気になり、ひどい問題になりました。煙突をくぐって平気なのはやはりサンタクロースくらいなのかもしれませんね。なんだか魅力的だけどちょっと怖い場所、私の煙突イメージはそんな感じでした。

今の住まいに薪ストーブを付けたのは、憧れと実用性とが一緒になった揺るぎない決心でした。薪集めも薪割りも並でない苦労を伴いますが、火そのものを眺めながら身体を温めていく体験は、スローライフ好きにはたまらなく、おかげでいつだって冬を楽しみにできるのです。

ストーブのために夏にやるべきことは、薪割りの他に、煙突掃除です。煙突掃除屋さんなんて職業はそれだけでは今は成り立たないのでしょうが、家仕事のひとつとして出来るなんて思いもよりませんでしたよ。屋根に上って煙突の蓋を開け、溜まったススをドサっと落としていきます。ストーブ屋さんに見本でやってもらった時は大きな掃除機でぐんぐん灰を吸い込んでもらいましたが、うちで掻き出した分は肥料に使えて無駄がありません。

百姓とは百の仕事があるそうな。衣食住全般の仕事を次の季節に先駆けてこなしていく、暮らしのエキスパートです。私はまだまだいつも遅れてばかりで同時にもできず、あれこれあたふたともがいているばかりですが、何年も続く暮らしのリズムをちょっとずつ、どんどん抜かりなく、五姓ずつくらいなら積み重ねて行けるかな。そしたら百姓までは二十年ですね。いやはや大変な道に踏み込んでしまったものです。

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はぁ、なんとかきれいになって一安心、だったのですが、みんなしばらく足がやけに黒かったです。子供に注意してみたら自分も。あちゃぁと思いながらもなんだか楽しい黒さでした。

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